芝生の手入れを調べていると出てくる、サッチングとエアレーション。
どちらも芝の根元に道具を当てる作業なので、「うちの庭にはどちらが必要?」「同じ日にやってもいいの?」と迷いますよね。
サッチングは表面にたまった枯れ草などを取り除く作業、エアレーションは土に穴などを開けて空気や水の通り道をつくる作業です。
目的に合わない道具を使うと、気になっている場所を改善できず、芝だけ傷めてしまうことも。
そこでこの記事では、サッチングとエアレーションの違いを、芝生の状態・作業時期・道具の選び方から解説します!
筆者宅で電動の芝管理機を使った写真も交えながら、自分の庭に必要な手入れを整理できますよ♪
というわけでこの記事は、「芝生のサッチングとエアレーションの違い!目的・時期・道具の選び方」について書きました。
この記事がおすすめな人
- サッチングとエアレーションのどちらを行うか迷っている方
- レーキ・ローンパンチ・電動スカリファイヤの役割を知りたい方
- 姫高麗芝や高麗芝の手入れを始めたい方
- 芝生を傷めない時期と作業量を考えたい方
サッチングとエアレーションの違いを比較
まずは、「芝の表面」と「その下の土」のどちらに働きかけるかで分けると整理しやすくなります。
| 比較すること | サッチング | エアレーション |
|---|---|---|
| 主な目的 | 根元にたまった枯れた茎葉などの除去 | 土の通気・透水を改善するための穴あけなど |
| 作業する場所 | 芝と土の間にあるサッチ層や表面 | 芝の下の土 |
| 検討する場面 | 根元に枯れ草が厚くたまっている | 踏み固められた土などの通気を改善したい |
| 道具の例 | 芝生用レーキ、サッチスイーパー、サッチング用の刃 | ローンスパイク、ローンパンチ、中空刃の穴あけ機 |
| 作業で出るもの | 掻き出した枯れ草・サッチ | コアリングなら筒状の土、スパイクなら土は抜かない |
| やりすぎた場合 | 生きた芝までむしり取る | 根や地中の配線などを傷つける |
トヨタのTM9詳細栽培マニュアルでも、サッチングとエアレーションは、それぞれ目的の異なる管理作業として説明されています。
サッチングは、根元にたまったものを取り除く
サッチは、枯れた茎葉などが分解されず、芝の根元にたまったもの。
レーキなどで掻き出すサッチングは、この層や表面の回収物を減らすために行います。
茶色いものをすべて取り切ろうとする必要はなく、緑の葉や生きた茎まで引き抜かない強さで進めましょう。
エアレーションは、土へ空気や水の通り道をつくる
エアレーションで扱うのは、芝の下にある土です。
人がよく歩く場所などで土が締まってきたとき、穴を開ける作業が選択肢になります。
- ローンスパイク: 爪を差し込み、土に穴を開ける方式
- ローンパンチなどのコアリング: 中空の刃で筒状の土を抜く方式
同じ穴あけでも土を抜くかどうかが異なるので、道具の先端まで比べて選んでください♪
図の左は表面の回収、右は土を抜くコアリングの例です。
図の穴の深さやサッチ層の厚さは、実際の作業寸法を表していません。
自分の芝生にはどちらが必要?状態に合わせた選び方
「毎年両方やる」と決める前に、気になる場所を狭い範囲で確認してみましょう♪
芝の色だけで判断せず、根元のたまり物と土の状態を分けて観察するのがポイントです。
根元に枯れ草がたまっているならサッチングを検討する
葉をそっと分けたときに、根元で枯れた茎葉が絡み合っているなら、まずは少量を掻き出して状態を確認します。
いきなり電動機を深く入れず、筆者も使う高儀の「 スライド式伸縮レーキ 大 」などで力加減を確かめると、必要な作業量をつかみやすくなりますよ♪
- 表面に落ち葉があるだけなら、先に落ち葉を回収する
- 根元にサッチがたまっているなら、芝を抜かない範囲で取り除く
- 生きた茎までまとまって抜けるなら、その場で作業を止める
道具ごとの違いは、芝生のサッチ取り道具の選び方で詳しく紹介しています。
よく歩く場所の土が締まっているならエアレーションを検討する
踏み固めによる土の締まりが気になる場所は、キンボシの「 ローンパンチX 4005 」などを使うエアレーションを考えたいところ。
ただし、水たまりができる原因は、土の締まりだけとは限りません。
| 気になる状態 | 先に確認したいこと |
|---|---|
| 通り道だけ踏み固められている | 作業できる土の状態か、地中に配線や配管がないか |
| 決まった低い場所に水が集まる | 庭の凹凸や雨水の流れる向き |
| 雨のあと長く水が引かない | 表面だけでなく、床土や排水先に問題がないか |
土が水を多く含み、踏むとぬかるむ状態では穴あけを見送り、水が引いてから確認してください。
排水の問題が続く庭では、穴の数を増やすより、造園業者などへ床土や勾配の相談をするほうが適切な場合もあります。
穴あけ道具の比較と使い方は、芝生エアレーションのやり方と道具へまとめています。
芝が弱っているときは、どちらも急がない
茶色くなった芝を見て、すぐにサッチングや穴あけを始めるのは避けましょう。
乾燥・病害虫・日照不足などでも状態は悪くなるため、原因が違えば、作業を増やしても解決につながりません。
根付く前の張りたての芝や、生育が止まっている芝を強く掻いたり切ったりする作業も見送ってください。
スカリファイヤは穴あけ道具?刃の形と用途に注意
電動スカリファイヤを探すと、「サッチング」「エアレーション」「根切り」といった言葉が一緒に出てきます。
本体の呼び名だけで選ばず、装着する刃で何をする機械なのかを確認することが大切です。
ハイガーの標準刃とサッチング刃は役割が違う
筆者が使っている「 ハイガー HG-EMHGB32 」には、板状のバーティカルカッターが最初から付いていました。
説明書では、土に細い溝を入れて根切りをする刃と、サッチを取り除く刃を区別しています。
| 刃・道具 | 主な働き | 土を筒状に抜くか |
|---|---|---|
| HG-EMHGB32のバーティカルカッター | 土に細い溝を入れ、芝の根切りを行う | 抜かない |
| HG-EMHGB32のサッチングブレード | 芝生のサッチを取り除く | 抜かない |
| 中空刃のローンパンチ | 穴を開けながら土のコアを抜く | 抜く |
出典:HG-EMHGB32取扱説明書、RHSの芝生管理ガイド。
サッチ取りを目的にHG-EMHGB32を使うなら、説明書に従ってサッチングブレードを選びます。
根切りとコアリングも作業の形が違うため、「電動機を使えばローンパンチの代わりになる」とは考えないでください。
筆者宅では標準刃でも枯れ草が取れたが、用途は分けて考える
筆者は標準刃のまま、高さを一番高い設定にしてHG-EMHGB32を使いました。
その条件でも枯れ草・サッチがたくさん取れ、集草袋がすぐにいっぱいになったのが印象に残っています。
ここで分かったのは回収物が多かったことまでで、その後の根の生育や芝の回復を比較した結果ではありません。
枯れ草が取れたという体験と、サッチ取りに適した刃の選択は別の話として考えましょう。
袋を空ける手間や使用時の注意点は、HG-EMHGB32の実機レビューで写真付きで紹介しています♪
サッチング・エアレーションの時期は芝の種類と生育で決める
ここからは、家庭の庭で使われる高麗芝・姫高麗芝などの暖地型芝を中心に整理します。
寒地型の西洋芝は生育しやすい季節が違うため、同じ作業カレンダーをそのまま当てはめないでください。
春から初夏は、地域と芝の状態を確かめて計画する
作業時期を考えるときは、処理後に芝が生育できる余地があるかを確認します。
参考になるのが、芝の種類や管理条件を示した栽培資料です。
- タキイの家庭向け芝生管理では、エアレーションの作業時期を5〜6月と案内
- TM9の年間管理スケジュールでは、3月下旬頃から必要に応じてサッチングやエアレーションを開始
資料ごとに対象とする芝や管理方法が異なるため、月だけを見て一律に作業するのは避けましょう。
自宅の芝の種類と地域の気候を先に確認しておくと、無理のない計画を立てやすくなりますよ♪
秋は「涼しくなったから両方やる」と決めない
高麗芝や姫高麗芝は、寒くなると生育が落ち着き、休眠へ向かいます。
秋に強いサッチングや深い穴あけを行うかは、作業後も葉が伸びる状態かを見て慎重に判断してください。
| 芝や天候の状態 | 作業の考え方 |
|---|---|
| 残暑や乾燥で芝が弱っている | 強い更新作業を見送り、水分状態などを確認 |
| 葉の伸びがあり、状態も安定している | 必要な場所・軽い作業から検討 |
| 黄変して伸びが止まり、休眠へ向かっている | 落ち葉回収などを中心にし、強い作業は翌春以降へ |
英国などの寒地型芝を中心にした「秋の手入れ」を、日本の姫高麗芝へそのまま当てはめないことも大切です。
秋の芝刈りや水やりも含めて整理したい方は、姫高麗芝の秋の手入れを参考にしてみてください♪
同じ日に行うなら?順番より先に確認したいこと
サッチングとエアレーションは、必ずセットで行う作業ではありません。
両方必要な庭でも、一日で仕上げることより、芝の状態と自分が片付けまでできる作業量を優先しましょう。
落ち葉や回収物を片付け、次の作業が必要か確認する
組み合わせる場合の進め方は、次のように考えると整理できます。
- 小石・枝・落ち葉など、作業を妨げるものを回収する
- サッチがたまっている場所は、狭い範囲でサッチングを試す
- 掻き出したものを片付け、芝の傷みや土の状態を確認する
- 土への処置も必要で、条件が整っていればエアレーションを検討する
これは家庭で作業を分けて判断するための一例で、機械を使う場合は取扱説明書の手順を優先してください。
芝が大きく剥がれた、緑の茎葉が大量に取れた、疲れて道具を安定して扱えないときは、その日の作業を終えましょう。
ワイヤー・配管の位置が分からない場所には刃を入れない
ロボット芝刈機の境界ワイヤーや散水用の配管がある庭では、作業前の位置確認が欠かせません。
筆者宅も境界ワイヤーを芝生の下に埋設していますが、「埋まっているから大丈夫」と判断せず、道具が届く範囲との位置関係を確かめてください。
- 通り道や深さが分からない場所: 掻き込み・根切り・穴あけを避ける
- ワイヤー付近: 周囲の回収物を手で拾うなど、地面に刃を入れない方法へ切り替える
- 機械の袋を空ける・刃を調整する前: 停止し、完全停止と電源の遮断を確認する
図解の旗とワイヤーは位置確認のイメージで、筆者宅の埋設状態を示す写真ではありません。
境界線の設置については、ロボット芝刈機の境界ワイヤー設置方法でも紹介しています。
保護具と回収・片付けまで準備する
手作業でも手袋と滑りにくい靴を着用し、刃先を足元へ向けないようにします。
HG-EMHGB32を使う場合は、長袖・長ズボン、保護メガネ、防じんマスク、すね当て、耳栓またはイヤーマフなど、説明書で指定された保護具も必要です。
- 雨の日やぬれた芝では、HG-EMHGB32を使わない
- 子どもやペットを作業場所へ近づけない
- 電源コードを刃の進む経路へ置かない
- 集草袋を外すときは、刃が完全に止まってから電源プラグを抜く
集草袋を外したまま運転せず、回収した枯れ草は自治体の分別方法に従って片付けてください。
目土や水やりは作業後の土と芝の状態に合わせ、葉が埋まるほど目土を積んだり、ぬかるむほど水を足したりしないようにしましょう。
サッチングとエアレーションについてよくある質問
エアレーションだけでサッチも取れますか?
穴あけは土への処置なので、表面のサッチを掻き集める作業の代わりにはなりません。
サッチが厚くたまっているなら、回収する作業を別に考えてください。
サッチングをすれば、必ずエアレーションも必要ですか?
両方を毎回行う必要はありません。
根元のたまり物と土の状態をそれぞれ確かめ、必要な作業だけ選びましょう♪
電動スカリファイヤなら、サッチングもコアリングもできますか?
HG-EMHGB32のバーティカルカッターは土に溝を入れる刃で、中空刃のローンパンチのように土のコアを抜くものではありません。
「エアレーション対応」という呼び名だけでなく、装着する刃と作業方法を確認してください。
穴あけをする場所が硬く、道具が入りません
跳び乗るなどして無理に押し込まず、土の乾きすぎや地中の石などを確認しましょう。
位置が分からない配管・ワイヤーがある場合も作業を中止し、取扱説明書に沿って条件を整えてから判断してください。
サッチングとエアレーションの違い:まとめ
この記事は「芝生のサッチングとエアレーションの違い!目的・時期・道具の選び方」について書きました。
選ぶときのポイントは、作業名よりも「どこを、どう手入れしたいか」です。
- 枯れ草・サッチを取りたい: サッチング用の道具を検討
- 踏み固められた土を手入れしたい: 穴あけなどのエアレーションを検討
- 電動機を使いたい: 本体名だけでなく、装着する刃の用途を確認
- 芝が弱っている・地中の状態が不明: 作業を急がず、原因や位置を先に確認
道具から探すならサッチ取り道具とエアレーション道具、電動機の使用感ならHG-EMHGB32のレビューを参考にしてみてください。
自宅の芝に合った手入れで、気持ちよく過ごせる庭を育てていきましょう♪